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20161205:”国内最速スパコン稼働へ” の記事を読んで・・・ [電脳サイエンス考]

 日経紙(2016年12月1日付け)によれば、富士通が開発・制作したスーパコンピューター ”オークフォレスト・パックス” の稼働が2017年4月から本格化するらしい。

 演算速度は2京5千兆回/秒で、”京”(理化学研究所設置)の2倍相当。
 使用者は東京大学+筑波大学で、東大柏キャンパス(柏市)内に設置し、大学・企業の研究開発に活用されると言う。 

 制作費+5.5年リース料は凡そ72億円(≒13.1億円/年≒1.1億円/月≒360万円/日)で ”京” の1/10とか。
 商業生産されている演算処理部品を活用して効率的な演算回路を設計・開発した成果らしい。

 演算速度は速いに超した事はないが、問題はそれを利用する中身だ。
 演算はプログラムによって実行され、プログラムは人間が書き下す。
 演算速度を速くするプログラム上の工夫はもちろん重要だが、最も重要なのは何を演算するのか、その対象と演算論理であり、その論理の土台となるモデルそのものだ。

 モデルの改良・完成度を高めるに当たって演算速度の向上は天気予報の精度や自然現象のシミュレーション等の分野では効果的であろう。
 が、新たな機能の発見やそれに基づく素材・薬物・医療設計等、経験値を最大限活用する AI との連携技術に飛躍が求められ、そこには独創力豊かな人知が求められる、と考える。

 海外産の商用ソフトウェアをそのまま導入・使用して、新たな素材や薬物設計を意図しても、自然科学への理解が深く無ければ無駄な計算を繰り返しているだけ・・・の様な風景を数多く観て来た経験から、こう思わずにいられない。

 独創力豊かな研究者が、予算に縛られる事無く自由に使い、画期的な成果が生まれる事を期待したいが、公用施設利用の際には ”既定概念豊かな” 審査陣が立ちはだかっているのが普通なので、これも課題だ。

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